2010.8.20 ワールドビジネスはてサテライト

8月22日の経済ニュース

■SCでカーシェアリング
マツダレンタカーとパーク24は明日からイオンのショッピングセンターでカーシェアリングを展開する。車を持たない客が大量に買い物したときなどにマイカー感覚で利用してもらうのが狙いだ。

「布団干しを自転車に積んで帰ったのでこういのがあったら便利だなと思います」

■売れすぎても困る?
予想以上の反響。日清食品は今日、日清カップヌードルごはんを一時販売休止に。目標のおよそ2倍の出荷量になり、生産が追いつかなかった。一方三洋電機は、米を入れるとパンが焼きあがるホームベーカリー、GOPANの発売日を延期。販売店の注文が多く数量が確保できないという。
■キューピー 高齢者食を強化

キューピー 竹村茂樹 取締役
「新たな市場を開拓し、高齢者食の社会に大きく貢献していける」

キューピーは高齢者向けの食品を強化すると発表。リニューアルした「やさしい献立」は250円から200円に値下げ。栄養だけでなくおいしさも追求した。
■高級時計フェア 新たな狙いは…
三越で開かれた時計の展示販売会。およそ50のブランドが参加し、最も高いものはおよそ2億5,000万円。今回新たに狙いを定めた客層は――

三越 MD統括部 松本洋介さん
「今回は中国語の通訳ができる方を会場内に配置して、お越しになった中国の方にもご迷惑をおかけしないような形で対応できるようにしています」

時計売り場は去年の落ち込みの反動もあり、10%以上の伸びを見せているがさらなる上乗せを期待する。

進む円高 経済対策は

円高輸入車は…
今日から営業を開始したヤナセ杉並支店。輸入車ディーラーとして初めて太陽光パネルをサービス工場に設置。環境対応をアピール。

ヤナセ 西山俊太郎 社長
「われわれのような高級車分野、ベンツを扱うお店というのはまだまだ回復には時間がかかるだろうなぁと」

エコカー減税補助金で盛り上がる日本車に比べ、回復の足取りが重い高級車。そこに今、円高という風が吹いている。

ヤナセ 西山俊太郎 社長
「この円高がもうあと8ヵ月も1年も続けば、価格も変えなければいけないなと。輸入車はもう少しこの状態が続けば当然価格の改定もあるかもしれないがしばらくは様子見ですね」

■投資家は外資
円高の中、個人投資家も動き出そうとしている。富裕層向けのサービスに力を入れるHSBC銀行が、外貨建資産についての個人の意識調査を発表した。

HSBC シニア ヴァイス プレジデント 秋田夏実 氏
「金融資産1,000万円以上の方については、51%の人が円高の今が外貨資産を増やす良いチャンスと考えています」

調査対象およそ800人の金融資産のうち、外貨建ての割合は平均23%。これを1年以内に28%程度に引き上げたいという。さらにこれまでとは違う意識の変化も――

HSBC シニア ヴァイス プレジデント 秋田夏実 氏
「人気の高い通貨としては、人民元やブラジルレアル、そういった新興国通貨への関心が非常に高まっているのが特徴的です」

円高で吹き飛ぶ“回復ムード”
一方で、進む円高を懸念する声も。大田区の中小企業を尋ねた。

信和パーツ 高島田政敬 会長
「これが“パーツフィーダ”という商品です。振動によって部品の向きを変えて送り込む装置となっています」

パーツフィーダとは、工場の製造ラインなどで部品を正しい方向に並べて送り出す装置。製品ごとに部品が変わるため全てオーダーメイドの受注生産。日本企業の海外工場などでも使われ、こちらの会社では約300社以上に商品を納めている。

信和パーツ 高島田政敬 会長
「自動車、電機、食品、薬品、ほとんどの業種で使われていますね」

企業の設備投資も回復し、今年は前年と比べて受注が1割増えるなど好調。しかし最近の急激な円高に先行きへの不安が増しているという。

信和パーツ 高島田政敬 会長
「海外の工場に設備として送るものをつくっているので、コストダウンの要求をしたり現地で設備を生産してしまう」

リーマンショックから続いた低迷からようやく見えた明るい兆しだったが、今では急激な円高による産業の空洞化への懸念が高まっている。

信和パーツ 高島田政敬 会長
大田区の中小企業は経費や人件費を削ってようやく立ち直ってきたところなんで、これから先が不安な状況。今年は社員の賞与も多く出せると思っていたがここへきてガクッとしてます」


■景気減速懸念 制度の延長は…
一方、景気の減速懸念はこんなところにも。トヨタ系の販売店を尋ねると、ウィンドウにところ狭しとあるチラシが貼られていた。

東京トヨペット 浅井成人 営業統括部長
「これを逃すと本当にもらえなくなる。最後のチャンスと大きく打ち出している」

東京トヨペットが今日から10日間限定で始めた大型のキャンペーン。9月末で終了するエコカー補助金の駆け込み需要を取り込むのが狙い。

東京トヨペット 浅井成人 営業統括部長
マークXラクティス、クラウンなどカーナビ等を付けてお得な価格で設定しました」

すでにハイブリッド車プリウスやサイなど期限に間に合わない車種が出ている中で、在庫に余裕のある車種を割安な特別価格車として用意し、一掃セールと銘打った。期間内におよそ70の店舗で1,350台の受注を目指す。補助金の終了に消費者は――

「少しでも安くなればというのが僕の考え。残念です続けてくれればいいのに」
「車にばかり税金を投入してもほかで必要な部分はもっとたくさんある。一つの役目は終わったんじゃないかと」

これまでの景気刺激策では、自動車取得税などが軽減されるエコカー減税は2012年春まで継続されるが、エコカー補助金は9月末で終了。家電エコポイント制度は12月で打ち切られる。しかし先行きの不透明感を受け、制度の延長に期待が高まる。

東京トヨペット 浅井成人 営業統括部長
トヨタにとっても業界にとっても大きな効果があった。補助金が無くなるとマーケットに非常に大きなインパクトを与える。もし延長していただけるならぜひお願いしたい」

■景気減速懸念 政府は…
こうした中、菅総理は今日の会談で関係閣僚に対し、追加経済対策を策定するよう指示。柱となるのは景気刺激策と雇用対策。新卒者や若年層に対する就職支援や、景気を下支えしてきたエコポイント制度の延長なども検討している。

原口総務大臣
「エコポイントは大きな経済波及効果をもたらす。延長を含めた検討をしていく」
「住宅版エコポイントの延長・拡充もありうる」

財源は今年度予算の予備費9,200億円などを活用し、新たに国債は発行しない方向で調整を進めている。

菅総理大臣
財政出動によらないで需要の拡大や経済の成長に繋がることもある」

菅総理は来週、野田財務大臣から為替情勢についての報告を受ける。さらに26日にまとまる民主党からの提言も踏まえ具体策を決める方針。
■今求められる経済対策とは

小谷真生子 キャスター
政策の期限切れと円高の二つの悪い要素が同時に来てしまっている。法人税減税のメッセージも出さず、どちらかと言うと政治家の皆さんは政局のほうばかりに目がいってる。どうすればいいでしょうね。


木内登英 経済調査部長
経済政策自体は日銀の政策を引き出すという誘い水みたいな意味もあるので意義はある。より重要なのは政府としては為替介入などできないので円高に対して直接働きかけることはできないが、円高になったときにそれを受けて企業がどんどん海外に流出してしまうのを防ぐためのメッセージとして法人税の引き下げとか、あるいは「国内で新しい産業を育てていきます、だから部品産業とかも国内に留まってください」というミクロな政策も有効。燃料電池やロボットとかミクロ政策であればお金もそんなにかからないのでそういうのも含めたらいい。

「為替介入」するべき?

■効果はあるのか
海外では米欧中が「通貨安」を競っているような状況。介入の必要性を訴える声も出てきている。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券 嶋中雄二氏
「日本だけやらないということでは、実力以上の円高がどんどん進行して歯止めがかからない。『これ以上の急激な円高は阻止する』と断固たる意思を示すことは世界経済にとってもプラスだろう」

日本もかつて歴史的な大規模介入に踏み切った時期もあった。2003年から翌年にかけ、総額35兆円のドル買い介入を実施。通貨安への露骨な誘導は通常相手国から受け入れられないが、当時アメリカで為替当局を率いたテイラー元財務次官の回顧録によると。

アメリカとしては介入に強い反対を申し入れるのではなく事実上容認し、毎朝携帯電話でメールをチェックすると、「東京の営業時間に小規模な介入。12億ドルを購入」などとよく東京からメッセージが入っていた。

「日本の不況は自らにとっても不利益」と考えたアメリカは介入の黙認で日本を支援。また当時は両国の関係が緊密だったことも介入実現の大きな要因だった。

ブッシュ大統領は日米関係を敵対関係ではなく、相互信頼と協力関係の上に築こうとした。

しかし今、日米関係は普天間問題などでこじれたまま。大規模介入の当時、日銀マンとして介入事務を担当した為替の専門家は今回の局面での介入は難しいと指摘する。

JPモルガン・チェース銀行 佐々木融 氏
「中国のドル買い介入に対しG7が批判を続けている。そういう中でG7の一員である日本が円売り介入するのはなかなか受け入れがたい」

しかも過去の大規模介入で膨らんだ特別会計の外貨資産は、この間進んだ円高で評価損が過去最大の30兆円あまりに達した。これ以上の介入には慎重な見方もある。

JPモルガン・チェース銀行 佐々木融 氏
「過去の経験則上、介入を続けている間はドル円は下がり続けて、介入をやめてからドルは反発している。小手先で為替レートを変えても何の意味もない」

■為替介入すべきか

小谷真生子 キャスター
阻止できるかどうかわかりませんが、円高を少し緩和していくような方向に持って行くことは可能でしょうか?


木内登英 経済調査部長
介入だけで為替の流れを変えることは難しい。しかし態度を示すことはできる。為替介入は他の国の同意がないとできないので外交努力が必要。そのためには政府間の交渉、パイプを持っていく必要がある。それが上手くいって結果として介入できたとすると、日本の企業は「政府は一生懸命、為替の安定に取り組んでいるな」というメッセージになる。
ただあまり効果はないので唯一効果を出そうとすると、日銀の金融政策緩和とセットでやる。これは2003〜2004年に行われたのだが、介入して銀行に資金を供給してそれを日銀が吸収しないで残しておくことによって為替介入と量的緩和を同時に進めていく。これがやっぱり効果があった。今回もそうなれば効果は出てくる。


小谷真生子 キャスター
コンセンサスとして日本の介入は不可能なのではないか?という声も非常に大きいですよね。


木内登英 経済調査部長
不可能ではないかもしれませんが、難しい。他の国も自分の通貨を下げたいと思っている。日本だけ特別認めてあげるというふうにはいかない。ほんとにこう日本がパニックになって円高と株安が止まらなくなってそれが世界の株安に繋がって、ほっといたらこれ世界経済大変だとなれば認められる。今はまだそういう状況じゃ全然ないのでやっぱりハードルは高い。

金曜フォーカス「エコ疲れ」

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■猛暑で“エコ疲れ”?
連日続く猛暑。今週東京でも3年ぶりに37℃を超えた。

街の声
「昼間は我慢してたけどつけてしまう。我慢できないもの」
「エコもいいけど熱中症になったら元も子もない」

国などが省エネとして推奨している設定温度は28℃。しかしこの暑さにエコどころではないというのが本音のようだ。100人に聞いた結果、28℃以上に設定した人は全体の3割に留まった。神奈川県に住む三城さんのお宅を尋ねた。設定温度を1℃上げるだけで電気代を1割節約できるエアコン。三城さんは去年までは省エネを意識して28℃に設定していたが――

三城さん
「全然28℃じゃダメですね。さっきもほっといたら子どもが20℃に設定していました。正直エコ活動は難しいですね」

三城さんはエコキャップやエコバッグなど、これまではどちらかというと積極的にエコ活動に参加してきた。しかしこんな疑問も感じていた。

三城さん
「私の活動が環境にどのくらい役立っているか見えにくいなと思います」

日本人にじわりと広がるエコ疲れ。アサヒビールのお客様生活文化研究所の調査によると、99%の人がなんらかのエコ活動をする一方、5人に1人がエコの効果を疑問に感じているという結果も。

アサヒビール お客様生活文化研究所 鳴海加奈 主任
「具体的にどう環境に役立っているのか見えないという回答された方が20%程度いらっしゃいました。前向きな中で疑問を感じるという数字が上がってきています」

■世界で“エコ疲れ”?
猛暑で浮かび上がるエコへの疲弊。しかしこのエコ疲れ、日本だけの問題ではない。4年前、アメリカで公開されたドキュメンタリー映画不都合な真実」。ゴア元副大統領が地球温暖化の実態を訴え高く評価された。そしてその2年後、オバマ大統領が当選。環境分野に投資して雇用を生み出すグリーン・ニューディール政策を発表。世界の注目を集めた。しかしそのアメリカでは――

ワシントン支局 浅岡基晴 さん
オバマ大統領の呼び掛けもむなしく、議会の上院は温暖化対策法案の審議入りを断念した。アメリカの環境対策は足踏みを続けています」

アメリカは先月、温暖化ガスの排出削減目標の法制化を先送りすることを決めた。その背景にあるのは経済の停滞。そして秋に控えた中間選挙

センター・フォー・アメリカン・プログレス ダニエル・J・ウェイス 上級研究員
オバマ大統領は上院で温暖化対策より優先したものがあった。医療保険改革と金融規制改革だ。しかし温暖化対策を議論する段階になり共和党の支持を取り付けることができなかった」

市民の環境意識にも変化が見え始めている。

Q.環境問題と経済どちらが大事?
「差し迫っているのは経済問題。温暖化問題も後回しにしてはいけないのはわかっているが」
「経済の方が直接的影響が出てくる。家族を養わなくてはいけないし」

アメリカで見え始めたエコ疲れ。
■オーストラリア
世界で最も環境対策に積極的と評されたラッド首相。

オーストラリア ラッド前首相
「私は自分の任務をやり遂げたい」

しかし今年に入り、資源税や排出権取引制度の導入などに失敗。産業界からの猛反発を受け6月に失脚した。3年前までは選挙で勝てる争点だった温暖化対策が、いつのまにか政治家の命取りに。
コペンハーゲン
世界で広がるエコ疲れの発端は、去年12月の国連会議COP15。ポスト京都議定書の法的枠組み作りに失敗した。

日経エコロジー 金子憲治 副編集長
京都議定書が終わる2013年以降の枠組みをつくろうとかなり盛り上がっていたが、決裂して2013年に間に合わないという感じになってしまった。世界全体で様子見という状況が続き、2,3年前に比べると沈滞している」

関係者の間では今年12月に開かれるCOP16でも世界的な枠組み作りは困難という見通し。
■日本

鳩山前総理
「温暖化ガスを90年比で2020年までに25%削減を目指します」

去年、25%の温暖化ガス削減を国際公約した日本でも実現に向けた勢いは失速している。25%削減を実現するために国会に提出された温暖化対策基本法案は審議途中で廃案に。そして7月の参院選――

気候ネットワーク 平田仁子 東京事務所長
「温暖化対策を進めるという骨はかすんで見えるというのが現状ですね」

去年の衆院選マニフェストで温暖化対策は目玉の一つだった。しかし参院選マニフェストでは排出権取引制度の導入など重要な項目が消えた。

気候ネットワーク 平田仁子 東京事務所長
「国際的な停滞ムードに加え経済低迷が続いているので、ほかに優先すべき景気対策が大事だ、あるいは温暖化対策はそんなに急ぐ必要がないという消極論が巻き起こっている状況」

そして民主党の惨敗でねじれ国会に。法案の成立は不透明だ。政府は今後どう対応するのか。

小沢鋭仁 環境大臣
「CO2を削減して温暖化をストップさせる。そのためには何が一番有用なのかという考え方は一切変わっていません。ただ野党の皆さんの協力をいただくわけですから、野党の皆さんの意見も取り入れたい」

法案の修正にも応じる方針を示す小沢環境大臣。一方で再生可能なエネルギー産業は既に成長産業になっていると強調する。

小沢鋭仁 環境大臣
「エコ疲れどころかエコビジネスはますます盛ん。政治・行政がしっかりとバックアップする体制をつくっていくことが必要」

日本は世界のエコ疲れの波に飲み込まれるのか。それとも流れを再び環境重視に変えるチェンジメーカーとなれるのか。
■“エコ疲れ”の先には…

小谷真生子 キャスター
エコへの流れは頓挫してしまうのか?


木内登英 経済調査部長
頓挫することはないと思うが、あまり無理をすると長続きしない可能性があるのでもうちょっと無理をしない工夫が必要。例えばCO2削減目標にしても結構政治主導で決まってきた部分があって、国民的な議論もなかったし企業の実情を聞くということもなく25%という数字が政治的に決まってしまった。アメリカもそういう面があった。
無理な目標をずっと掲げていくのは一番よくないので、より現実的な形で見直す必要もある。今日本でいうと政府と産業界が接近して意見が言えるような状況になってきている。今度はもう一回現実に即して見直していくほうが無理なく前へ進んでいく方向へ、見直す勇気というようなところも重要じゃないかと思いますね。


小谷真生子 キャスター
企業は次の商品を出すための先行投資を注ぎ込んでいるわけですよね。政治がブレると企業というか産業界も非常に困るわけですよね


木内登英 経済調査部長
方向はブレないと思うが目標の25%のところを20%など、もう少し小さくしてもいいのでは。

  

THE 行列


■魔法のチケット
テーマパークで人気のアトラクション。その待ち時間は80分。

「魔法のチケットですね」

並ばなくてもアトラクションが楽しめ、しかも食事をして待つ。そんなうまい話が――

「今から行けばもう乗れちゃう」

うまい話はあった!!連日多くの客で賑わうユニバーサル・スタジオ・ジャパン。アトラクションはどこも人気。当然客も並び大行列が。しかしレストランでは――

「並んでいる先頭に行ける。そのチケットがあると」

時間を有効にとのコンセプトで発売された「たべ乗り」セット。そのシステムは、施設内のレストランで対象となる食事を選ぶ。そして表示されているアトラクションから自分の目的のものを選択。すると食事代に+650円で魔法のチケットが手に入る。

ユー・エス・ジェイ オペレーション本部 夏山桂三 企画室長
「待ち時間を列に並ばずにその分をレストランでの消費にかえていただくものです」

つまり待ち時間までゆっくりと食事を楽しむ。目的のアトラクションを並ばずに体験できるというシステム。

たべ乗り利用客
「並ぶのに時間がかかると暑くてつらい。少しでも涼しいところで待とうかなと」
「今多分並んでいると思うけどその時間を利用して食べている」

暑さ対策、時間の有効利用と様々だがいずれにしても並ぶ必要はない。それは本当か。大人気のアトラクション、その横を見ると先程食事をしていた家族が笑顔でいた。一時間以上並ぶ大行列を尻目に少し前に来て優先入場。客は焦ることなく特等席に座ることができた。この特別感が人気。そして一般入場が始まる。客はわれ先に特等席を目指す。あっという間に3000人が入る会場は満席状態となった。ちなみにこちらの特等席、アトラクションの合間にたっぷり水をかけられる場所のことだ。

ユー・エス・ジェイ オペレーション本部 夏山桂三 企画室長
「“たべ乗り”というシステムはUSJだけのオリジナルのシステムになっています」

実はたべ乗り以外にも特別なチケットが存在するという。それがユニバーサル・エクスプレス・パス。こちらも並ぶ必要はない。しかし入場時にこのチケットを求めて行列が出来ていた。一枚あたり700円前後するチケットだが朝10時には売り切れることもある。

利用客
「時間がないので、1日しかないから」
「効率的に回りたい」

こうしたシステムは客にとって並ばなくて済むというメリットを生み出す。一方でパーク側にも重要な狙いが――

ユー・エス・ジェイ オペレーション本部 夏山桂三 企画室長
「客が待っている間はパーク内の消費活動につながらないので、パークとしてはなるべく待ち時間を短くして飲食・物販店舗で少しでも物を買っていただきたい」

アメリカで生まれたシステムを日本流にアレンジしたという、行列を逆手にとった新しいビジネスはUSJに確実に根づいていた。
 

トレンドたまご

■翔んだシャボン玉

今までありそうでなかった、ピンクや青など色鮮やかなシャボン玉。綺麗に色が広がるように特別なインクが使われているのだが、その中身は完全に秘密。

StrapyaNext Webマーケティング部 柳川宣人さん
「絵の具などを混ぜても色が下にたまるだけで表面が全体的に均一に色が付くことはなかった。単純なように見えるんですが実は時間とお金がかなりかかっています」

アメリカで開発されたのだが、開発期間は15年。さらに3億円もの費用をかけてようやく完成した。このシャボン玉にはもう一つ特徴がある。割れたシャボン玉の飛沫で服に色が着いても15分〜20分程度で自然と消える。少しシミが残ってもほとんどの場合洗濯すれば完全に消える。部屋の中で遊んでカーペットや壁などに色が着いても心配ない。

StrapyaNext Webマーケティング部 柳川宣人さん
「現在販売はネットだけだが今後は実際の店舗で販売し、一般の人にも広く使用してもらう形で販売していきたい」

スミスの本棚 annex

■7つの習慣
 
世界で2000万部以上を販売。成功するために身につけるべき7つの習慣がかかれている。日本でも出版から10年以上経った今、雑誌で特集が組まれるなど再び注目を集める。
■7つの習慣=原則

経営コンサルタントティーブン・R・コヴィー
「多くのビジネス書がテクニックを紹介していますが、私の本は時代が変わっても通じる『原則』を描いていることが大きな違いです」

7つの習慣は、効果的に生きるための基礎的な原則に基づいている。原則は、永続的な価値を持っており、人間の行動に正しい方向性を与えてくれるガイドラインとなる。

ティーブン・R・コヴィー
「20年間の研究の結果、誠実さ正直さを取り戻すことが重要だとわかり、『人格』をテーマにこの本を書いたのです」

そんなコヴィーさんがお薦めする一冊は――

ティーブン・R・コヴィー
ピーター・ドラッカーの『経営者の条件』です」



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